面接のおわり

面接にはおわりがあるが、クライエントもセラピストも成長プロセスにおわりはない。
人生という道の途中で縁あって一定期間を面接という形で共に進み、分かれ道で面接をおわりにしてそれぞれの道を進み続ける。
面接にはすごろくのように「あがり」があるわけではない。
クライエントとセラピストが、もしくはどちらか一方が、意図的に「おわらせる」ものなのだと思う。

今担当しているケースで初めての年末年始を迎えた。
週1回欠かさず実施していた面接だったが3週間空く。
12月最期の面接の際に、クライエントが私へのプレゼントと言ってお菓子を下さったのだが、私は受け取れないルールだと言ってお断りした。

後でセンターに確認すると特に決まりはないとのことだった。
あの時なぜ考えもせず確認もせずに断ってしまったのか悔やまれる。
あのタイミングは面接の第一章のおわりの時だったように思う。
おわりの時に、感謝とよき出会いへのお祝いと、第二章もよろしく、などの純粋な気持が込められていると伝わってきていた。
だから断るのが申し訳なく、断った時のクライエントの残念そうな表情を見るのが苦しかった。
なのに、決まり事と思い込んで断ってしまった。

スーパーバイザーに報告すると、「受け取ることで依存を助長する可能性」と「受け取る意味」について
「神田橋先生はクライエントからの贈り物(気持ち)は断らずに受け取られる」というエピソードを交えて話してくださった。
一律の絶対的な正解はない。

あの時、あの心のこもった小さなお菓子を、受け取ることもできたのだ。

プラグインからカスタムフィールドなどの情報