心理療法とは何か

心理療法とは何か。

この問いに対し「クライエントが自由に話すことで、より良い方向へと変化するプロセス」であり、「クライエントが話したいことを話したいように話せる場を提供すること」であるというイメージを持っていた。

しかし、『話さないことにも意味がある』とコメントを聞いて、確かにそのとおりだと感じ、さらに「良くなるモデル」にとらわれていることにも気づいた。

テキストの第１章に「訓練生が当初持っていた期待は変化する」そして「期待は、困難や個人的な苦悩と関連する」との記述がある。
自分が「クライエントが個人的な話をたくさん話す」ことを期待しており、「話すほどに良くなる」ことを期待しているということに思い至った。
このままの自分では、話してくれないクライエントとの面談に困難を感じたり、たくさん話すのにちっとも良くならない（と感じる）ことに苦悩する可能性があるだろう。

心理療法とは何か。
フロイトの「悩みの質を上げること（人を愛することができるようになる、仕事ができるようになる）」
河合隼雄の「クライエントの耐えられる最大限の不安を処方すること（生きるということ）」
ヒルマンの「その人が魂の感覚に触れることはすべて嬉しい」
これらの言葉の真の意味を理解できるまで考え続け、学び続けたい。
そして自分なりの答えを見つけたい。